ボードゲームレビュー第271回「世界の七不思議」

投稿者 : kiwistaff on

「世界の七不思議」
作者:アントワーヌ・ボウザ
メーカー:ホビージャパン
プレイ人数:3~7人用
対象年齢:13歳以上
プレイ時間:30~40分



毎週木曜日はキウイの日! ってなわけで、三家原ですー!
今日はレトロタイトルでお送りなのですよ!

今回ご紹介するのは、ホビージャパン様より発売中の「世界の七不思議(7 Wonders)」なのですー!!



発売は今からさかのぼること9年前の2010年。
発売すると同時に瞬く間に人気沸騰となって、2011年度のドイツ年間ゲーム大賞や国際ゲーマーズ賞など数多の受賞を果たしたという輝かしい経歴を持っていたり、当時遊んでいる人はやりすぎて終電を逃したとか、一度始めたら止められないなんて話も聞いていて、逆にこのゲーム遊んで大丈夫だろうかという若干の不安が……(まてこら)

その後も拡張版や派生作品……あ、そういえば、このボードゲームレビューでも、第115回で二人用にカスタマイズされた「世界の七不思議:デュエル」を紹介したりしてましたね……がいくつも作られ、今年はとうとう艦隊を使って遊ぶことのできる「世界の七不思議:艦隊」がリリースされたりと、10年経ってもまだまだ現役バリバリな本作なのですよ!


今年発売された「世界の七不思議:艦隊」

1)ゲームの準備。

各プレイヤーはランダムに配られる七不思議ボード1枚と、コイン3枚を受け取ります。


今回は、どんな七不思議が巡ってくるのか……!?

各世代のカードをプレイ人数に応じたカードだけや山札を作り、残りはゲーム中使用しないので、箱の中に戻します。



また第Ⅲ世代の山札には、人数に応じた枚数のギルドカードを加えシャッフルしておきましょう。



以上で基本ルールでの準備は終了です!
追加ルールだったり、あとは拡張を加えてくるとこの辺も変わってくると思いますけど、基本はとってもシンプルなのですよ。

2)ゲームのプレイ方法

ゲームは第Ⅰ世代から第Ⅲ世代まで各6ターンずつの全18ターンでゲームが構成されています。
各世代のスタート時に、山札からプレイヤーに7枚ずつランダムに配りましょう。


世代が変わるたびに、必ずこの配布を行うのですよ。

そして、1ターンの流れは以下のように行われます。

①カードの選択
②アクションの実行
③手札の受け渡し。

①カードの配布
各プレイヤーは、他のプレイヤーに見られないよう手札の中から1枚を選択し、自分の手前に裏向きにして配置します。


何を選ぶのか……!?

②アクションの実行

カードを選択したら、各プレイヤーは”全員同時に”アクションを実行します。
アクションは全部で3つ! その内の1つを必ず実行していきましょう。

1.建造物の建造

選択したカードの建物を建造します。
ただし、同じ建物を建設することは出来ないので、カードを選ぶ際にもうすでにそれを建築していないかどうかをしっかりと確認しておきましょう。


ゲームが進むと、すごい数になるので同じ色の建物は重ねるといいのですよ。

また建造には建材が必要なものとないものがあるので、実行前に自前の建材が足りるかどうかにも注意しましょう。
ただし、もしもコインを保有しているのなら、隣国から購入する事も可能! なので、建設を選ぶ際は隣国が何を生産できるのか注目しておくとスムーズに建設が進むのですよ。

2.七不思議の一段階の建造

自分の七不思議ボードの下部のマスにカードを差し込むことで、七不思議を完成させていきます。
七不思議は完成すればするほど、プレイヤーにとって有利となる得点が豊富なので、余裕があれば積極的に作っていくのがオススメなのですよ。

ただし、こちらも建造コストが必要なので、気をつけましょう。
また七不思議は左から順に作らないといけません。二段目の恩恵が欲しいからといって、飛び級みたいに建設は出来ないのでご注意を。


じわじわと出来上がっていく七不思議。

3.捨て札にしてコイン3枚を獲得する。

上記の建設が出来ない、またはしたくないという場合はこの選択となります。
手札のカードの内容を相手に見えないよう捨て札として、銀行からコインを3枚を受け取ります。


果たして相手が何を捨てたのか……もやもやさせるなんて高度な戦術の一つ。

③手札の受け渡し
全員のアクションが完了したら、使用せずに残ったカードを隣接プレイヤーに手渡しましょう。
手渡しが完了したら次のターンとなって、また①からスタートしていきます。


ぐるぐる巡っていくカードたち。世代によって、時計回り・反時計回りと手渡す方向が違っているので、ご注意を!

2-1)世代の終了

各世代は6ターンで終了となります。世代が終了毎に、軍事による交戦が発生します。
各プレイヤーは自分の軍事建設物に表示されている「盾」の合計数を、両隣の都市と比較することで、交戦に勝利・敗北・引き分けの判定が行われます。

隣国に勝利したプレイヤーは、世代に応じた額の勝利トークンを1枚、敗北した場合は敗戦トークンを1枚獲得し、引き分けだった場合はそれらのトークンを受け取らずに終わります。
こうして受け取ったトークンは、他のプレイヤーにも分かりやすくする為、七不思議ボードの上に配置しておきましょう。


勝利と敗北のトークンたち。軍事で殴るのも、また勝利への第一歩なのですよ。

3)ゲームの終了条件と勝利条件

ゲームは第Ⅲ世代の軍事による交戦処理が終わると同時に終了となります。

各プレイヤーは各勝利ポイントを算出するのですが、勝利ポイントは、軍事交戦・所持しているコインの枚数・七不思議・市民権贓物・科学建造物・商業建造物・ギルドの計7部門!
これらを合計して、一番高かったプレイヤーが勝利となります。


果たして勝利は誰の手に?

4)総評

という事で、今回は「世界の七不思議(7 Wonders)」をご紹介させて頂きましたー!
遊んでみた感じとしては、カードだけで構成されているはずのゲームなのに、がっつり歴史ゲームしてきたようなボリューム感を感じましたねー。


まあ、机の占領するボリュームもすんごいのですが(笑)

カードをドラフトしながらゲームが進行していく為、毎回予想外の展開が待ち受けているのが面白かったです!
その中でバランスよく稼ぐのか、それとも特化させて勝利を目指すのか。自分の七不思議と巡ってきたカードで勝負していく運要素も大きいですが、サクッと終わるので、長時間ゲームでよくある失敗したままずーるずるプレイし続けるみたいなのはないのがいいですねー。

逆に毎回違った戦術を挑戦できるので、思わずもう一戦。どうせなら、別の人の隣で! と何回でも遊べちゃいそうなのが恐ろしい……たしかに、これは終電を逃しても不思議じゃない。


次の文明では、どんな運命が待っているのか!?

発売された直後から大人気の本作ですが、10年近く経過しても未だに拡張版が発売されるあたりまだまだ勢いが衰える様子もなさそうですね。実際私もまた遊んで見たい一本なのです!
ってなわけで、ご興味のある方はぜひぜひ一度遊んでみてくださいませなのですー!


すでに発売されている拡張たち……果たして彼らはどこまで増えていくのか……!?

 

ライター紹介

三家原優人(みけはら ゆうと)
 ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
 ゲームシナリオライターだけでなく、映画会社にて長編映画の脚本や出演など多岐に渡って活動中。
 趣味はガジェット集め。国内・国外問わずの気になるガジェットを集めては愛でる日々。
 実は某公国の爵位を持っていたりする。

代表作
 歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ。
 恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」。
 長編ホラー映画「腐女子」。
 その他多数。