「宝島 完全日本語版」
作者:マルク・パキン
メーカー:アークライト
プレイ人数:2~5人用
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:45分
毎週木曜日はキウイの日ー!
今回ご紹介するのはアークライト様から発売中の「宝島 完全日本語版」なのですー!!
この世ぉはぁでっかい……げふんげふんげふん。
宝島……!!
そう、ロバート・ルイス・スティーヴンソン著の有名な海洋冒険小説の代表作をベースにしたゲームなのですよ!
え? そういう原作を知らなくても楽しめるのか?
ふふふ、その辺りは問題なしなのですよ! なんたって、私も原作知らずにプレイしましたから!(まてこら)
ほ、ほら、小説とゲームは別物ですし。それに、このゲームで小説の存在を知って、読むようになったらウィンウィンだと思いません!?(まてこら)
ということで、プレイヤーたちは、宝の場所を知っているシルバー船長と、そのシルバーを幽閉した海賊側に別れてプレイすることになります。宝探しと聞いていたから、協力ゲームかと思いきや、思いっきり競争ゲームなのですよ。
各海賊はシルバー船長から与えられる嘘と本当の混じった情報を元に島を探索し、一方のシルバー船長は、幽閉期間中は発見されないように情報を切りつつ、脱出後は猛ダッシュで宝を奪いに行くという内容なのですよ。
果たして、宝は誰の手に!?
○ゲームの準備
1)ゲーム準備
まず、テーブルの中央に宝島ボードを配置し、その横には、黒丸ヒントタイル、羅針盤ヒントタイルをシャッフルし、裏向きの山札にして配置しましょう。
またコンパスや定規など大小の道具は、各プレイヤーの手の届く場所に配置しておきます。
見ているだけで、ちょっとワクワクするですね。
プレイヤーはシルバー船長役と海賊役を決めたら、各自必要な道具を受け取ります。
海賊たちは違った特殊能力を保有しているので、選択は慎重に、なのですよ。
海賊側は、キャラクターに応じた色のコマ、カラーペン、順番マーカー、プレイヤースクリーン、ミニマップ、メモタイルなどを受け取ります。
一方のシルバー船長は、GM的な役割を担っているので道具は多め。
宝箱、宝箱マーカー、シルバー船長のコマ、うそつきマーカー、真実マーカー、ミニマップ、エリアヒントタイル、プレイヤースクリーンを受け取ります。
最後に、シルバー船長から右手側にいるプレイヤーから順番に、自分の順番マーカーをカレンダーボード1753と書かれた文字下のドクロに置いていきましょう。
これで準備はほぼ終了!!
2)プレイ準備
こうして参加プレイヤー全員の準備が整ったら、海賊側は自分の色と同じ「×」が書かれた場所にコマを配置し、その周囲に描かれた点線を自分のカラーペンでなぞっていきましょう。
こっからここまで、オレの領地ぃ~~~~っ!!(まてこら)
一方のシルバー船長は、各プレイヤーの配置が完了したら、手元のミニマップに宝物を埋めた場所をカラーペンで「×」を記入。
その後、11枚あるエリアヒントの中から、自分の埋めた場所が記されたタイルを抜き取ってシャッフルして山札にしたら、上から1枚ずつ海賊たちに手渡します。
このタイルが、海賊側に与えられる最初の大ヒントとなるので、他の海賊に見られないよう隠しつつ、しっかりミニマップに書き込んでおきましょう。
その後、シルバーは初期ヒントタイルと羅針盤ヒントタイルを引いていき、これで全ての準備が完了となります。
そして、皆様すでにお気づきでしょうけれど、このゲーム……お絵かきゲームなのですよ!(どどーん)
○ゲームの流れ
宝島では、シルバー船長と海賊でゲームのプレイスタイルが違っています。
シルバー船長は、脱出に成功するまでの間、カレンダーに記載されたイベントに合わせて、各プレイヤーたちに情報を与えたり、発見の有無などを主に行います。
1)日付をすすめる。
シルバー船長のターン!!
船長はカレンダーに置かれている海賊マーカーの内、一番左側にいるのを手に取り、一番右側にあるマーカーの次のマスに配置します。
2)カレンダーのイベントを解決する。
まだシルバー船長のターン!!
カレンダーには、イベントを示すシンボルが記されていることがあります。
なので、シルバー船長はそのイベント内容に合わせて、幽閉されたり、ヒントを出したり、脱走したりします。
日付が進めば海賊側が有利になったり、不利になったりと状況が刻一刻と変わっていく……!!
3)海賊の行動
ここからやっと海賊のターン!!
各プレイヤーは、カレンダーに描かれた星の数だけ自分が手にした手がかりを元にして、シルバー船長の隠した宝物目指して探索していきます!
選択できる行動には、全プレイヤー共通の、移動(馬)・移動(徒歩)+探索(小)・探索(大)の3種類と、回数に限りのある特殊アクション、検証・全力疾走・羅針盤・キャラクター別の特殊能力の4種類が存在します。
●共通のアクション
①移動(馬)
この移動では、現在置いているコマから6マイル分だけ移動できます。
ただし、途中で曲がったり、赤線で描かれた場所は通れないので気をつけましょう。
移動先が決まったら、あとは定規でびびーっと描き込み、移動を終了した場所に「×」を書いて、コマを移動させます。
「×」は次の移動時の起点となるので、ちゃんと描きましょう。
②移動(徒歩)+探索(小)
先程の移動とは違い、こちらは半分の3マイルだけ移動。
移動処理が終了したら、小型の探索円を使って周囲の探索を行います。
円の中に新しく書き込んだ「×」が入っていれば、少し偏った感じに探索も出来るので、怪しい場所を調べていくのですよ!
この探索範囲に宝箱が埋まっていた場合は即終了ですが、もしもなかった場合、シルバー船長は以下の選択が可能となります。
1)そこにはないと宣言する。
ないものはない!(どどーん)
ってなわけで、シルバー船長はそう言っちゃってやってください!(何)
2)ヒントを与える。
宝箱の中に宝箱マーカーを一枚入れて、探索した海賊に手渡すことができます。
この宝物はゲーム中、一度しか使用できないものだったり、ヒントだったりします。
果たして、何を受け取ったのか……。
③探索(大)
探索(小)の規模を大きくしたものです。
でっかい分発見出来る確率は上がるけど、同時に他の海賊へのヒントにもなってしまうので、使うタイミングにはご注意を。
一回使ってミスすると、結構探索不要になる範囲が出来てしまうのですよ。
●特殊能力
①検証
カレンダーボードに描かれたヒントには、本当と嘘が入り混じっています。
この検証では、その真偽を確認することが可能となります。
②全力疾走
移動(大)よりももっと強力な移動……というか、瞬間移動ですね。
そう、これを選べば、自分の好きな場所に一瞬で移動出来るのですよ!! 超強力な移動方法ではあるのですが、大体ゲーム中に一回しか使えないので、使う時は慎重にした方がいいですねー……まあ、自信があるなら、初っ端に使用するのもありなのですが。
③羅針盤
羅針盤を選択したプレイヤーは、自分のコマに羅針盤(大)を配置し、シルバー船長から手渡された羅針盤ヒントタイルを自分だけが見ることが出来ます。
このヒントには、財宝が埋められていない方向が記載されていて、受け取ったプレイヤーはその情報をミニマップなどに記入することが可能です。
状況によってはかなりのヒントになるのですが……果たして。
カレンダーなどでは真偽不明なシルバー船長の情報ですが、この羅針盤情報についてはルール上嘘をついてはいけないことになっているので、安心してメモが取れるのですよ。
④キャラクター別の特殊能力
海賊側のプレイヤーは選んだキャラクターによって、それぞれ違った特殊能力を保有しています。
移動に有利だったり、探索に有利だったり、どれも強力なので、ここぞ! というタイミングで活用するのがいいのですよ。
特殊能力も宝物でゲットしたアイテムも、惜しまず使っちゃいましょう!!
4)シルバー船長の脱走!!
カレンダーが進行することによって、シルバー船長が幽閉先から脱走します。
脱走後は、シルバー船長も加わって宝探しは以下のようなルールとなって、最終局面を迎えるのですよ!
①カレンダーはもう動かない。
②海賊側は自分の手番は2回アクションを行う。
③シルバー船長が出来るアクションは「移動(馬)」のみである。
④シルバー船長が宝箱を埋めた場所に到着したら、即ゲーム終了。
あと少ししたら、猛ダッシュでやってくる感じなのですよ……!!
○ゲーム終了条件
宝箱が発見された瞬間、このゲームは終了となります。
そう、1位とか2位とか、そんなものは存在しない。勝者と敗者の二択のみのシンプル・イズ・ベストなのですよ!!
今回お宝を発見したのは、赤のシャーロッテ・デ・ベリー!!
私はその隣の水色、アン・ボニーだったのですよ……あと1ターン! あと1ターンで勝てたのにぃー……(涙)
果たして、ゲームの勝者は海賊なのか、シルバー船長なのか……結果は君たちの腕次第だ!!(ばーん)
○総評
今回は参加者5人、フルマックスでプレイしてみましたが、遊んだ感じとしてはかなり宝探しなゲームでした!
最初に配られる情報や、周囲が探索ミスしていくから徐々に宝箱の場所が定まっていくし、シルバー船長が脱出したらお宝に向かって猛ダッシュしていくので、終了が近づくにつれてワクワク感と焦りが高まってやばかったですねー……ただ、今回は脱走する前に見つけちゃったので、一番超エキサイティングしそうな楽しさを味わえなかったのですが!!
あと、メインがお絵かき要素だったのが、このゲームにすんごくマッチしていたと思います。
そう、様々な情報を元にして、ああでもないこうでもないと自分の地図に書き込みながら、絞り込む感じはまさに宝探し気分!
目の前に広がるマップに書かれる探索状況と、自分の手元にある地図の差を見比べてニヤニヤ。相手の動きを見て、どんな情報を手にしているのか推理するのでニヤニヤ。
宝探しという要素と、お絵かき要素が上手い具合にマッチしている本作。
ただシルバー船長と海賊側に別れる必要があるので、最低でも2人。
でも、このゲームを本格的に楽しもうと思ったら、少人数よりも多人数系で遊ぶ方がいいかも? だって、競争感半端ないですもん!
ってなわけで、今回ご紹介した「宝島」はいかがでしたでしょうか? ご興味のある方は、ぜひぜひ遊んでみてくださいませなのですー!!
ライター紹介
三家原優人(みけはら ゆうと)
ゲーム制作チーム「Team・Birth-tale」所属。
ゲームシナリオライターだけでなく、映画会社にて長編映画の脚本や出演など多岐に渡って活動中。
趣味はガジェット集め。国内・国外問わずの気になるガジェットを集めては愛でる日々。
実は某公国の爵位を持っていたりする。
代表作
歴史シミュレーションゲーム「三極姫」シリーズ。
恋愛アドベンチャーゲーム「はち恋」。
長編ホラー映画「腐女子」。
その他多数。